読み終わって、一番最初の感想は…
「ほら、おじいさん、気が短すぎましたよ!」
この「おじいさん」はこのシリーズに出てくる主人公弓子の
おじいさんでも、私の祖父でもなく
新見南吉「おじいさんのランプ」のおじいさんだ。
時代に取り残されてしまったランプを
川につるして石を投げて割っていく…。
活版印刷が、ここ数年、ちょっとしたブームになっているのは
この本を読む前から知ってはいた。
その活字でへこんだところが雰囲気があって人気だというのも。
読んでいて、おおそうか!そうだよね!と思ったのは
年老いた職人さんが、そのへこみが人気なのを驚くところ。
裏にも印刷しないとならないので、へこんではいけないと
そこが腕の見せ所であったのに、と。
ストーリーは、祖父の印刷所を引き継いだ主人公の弓子が
出会う人とのエピソードで一話ごとすすむ
おもしろくて気持ちのいい小説だった。
ただ、私はちょっと気になったことがあった。
それは、弓子が本を印刷することにこだわっているところ。
いや、労力がかかるし~と、他人事なのに、ましてや
小説の中のことなのに、口出ししたい気分。
夜も寝ないで頑張らないといけないじゃないか。
体力がもたんだろう~とか
安い労働力…というものが頭に浮かぶ。
ジョバンニが活字を拾うバイトしてたけど、賃金安そうだった。。
現実だか空想だかわからないところに、迷い込んでゆく。
と、まぁバカなことを考えながら
前から欲しいけど躊躇していた「おとなの科学」活版印刷を買ってしまった!
思っていた通り、活字が印刷されるとなんともいとおしい、うれしい。
そして、思っていた通り、思いっきりめんどくさい!!!
そして、消しゴムハンコと相性ぴったり。
もらいみず…の「ら」が一個しかないので、とられて、まで。。。
思いっきりへこませると、活字に紙がくっついてとれないのだ。
右下のピンセット(付録ではない自前)はそれをはがすため。
行が裏返ったり、字がひっくり返ったり。
とりあえず、もうちょっと、練習しよう。