仙人閑居 其の三

 

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いつものように

となりのとなりのとなりの山の仙人と碁を打っている仙人。

木陰から誰かのぞいているのに気がついた。

 

…誰か見ている。。ここは仙人らしい打ち廻しを見せねば。。

 

と、心ひそかに、こぶしを握りしめ、

 

「誰か見ているが、気づかぬふりをしておこう…」

 

と、となりのとなりのとなりの山の仙人に小声で言った。

 

「うむ。。」と小声で返事。

 

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木陰で見ていたのは深い山に迷い込んだ樵夫だった。

碁が好きらしく、遠慮もなく、すたすたすたと、近づいてきた。

 

気合が入る仙人二人。

 

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木こりは、しばらく眺めていたが

また、すたすたすたと山を下りて行った。

 

「もう帰ったのか。。」

「うむ。。」

 

樵夫が小声でぶつぶつ言いながら山を下りていったのは

二人に聞こえていなかった。

「目がない…切れるのに継がない…あぁ、胃が痛くなってきた…」

 

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樵夫は、木陰に斧を忘れて行っていた。

 

「ひょっとして、斧の柄が朽ちてないか?」

 

「全然、しっかりしておりますよ!」

と、見に行った化けガエルが叫ぶ。

 

時を忘れて見入ってしまうような碁を

打てず、伝説になれなかった仙人達であった。

 

 

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前のはマジックで描いていたけれど

細い線が描きにくいからと、小筆で描いてみた。

やっぱり、スキャンすると線が切れ切れになってしまう。

なので、写真にしたけど

マンガらしく表示されなくてちょっと残念。。と言い訳。

 

 

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囲碁を打たない方でもご存知の方が多いかと…

「爛柯」の話がネタ元です。