アントンのドイツビフテキのこと 

まず最初に。

今の本は、「ドイツビフテキ」とは書いてないのだった。

図書館で同じ岩波の本でも、「ハンバーグステーキ」と書いてあるのと

「ハンバーグ」と書いてあるのがあって…

 

順番から言うと

ドイツビフテキ

ハンバーグステーキ 昭和30年代初め

ハンバーグ 

というふうに改訂されていっている。

 

正確な年代は、メモし忘れた。。

 

なので、私が友達に借りた本も、

その後、大人になって読んだ本も、「ドイツビフテキ」とは

書いてなかったはずだ。

 

なのに、なぜ、「ドイツビフテキ」と書いてあったと

知っていたかというと、

赤木かん子さんの「本のなかのおいしい話」という本に

そう書いてあったから。

で、実はそれが、ハンバーグのことだよ、と読んだのも

この本だった。

 

自分で抱いた疑問じゃなかったので、ずっと、このことは忘れていたのに

先日、かき卵に、小麦粉を入れる、という部分を読みかえしたとき

出てきたので、そうだった、この本は「ドイツビフテキ」だったんだと

思い出して調べたくなったのだった。

 

今、手元に持ってる本は、復刻版「点子ちゃんとアントン」。

だから、「ドイツビフテキ」なのだ。

この復刻版は岩波ではなく、新潮なんだけど、訳者は同じ、高橋健二さん。

 



前置きが長くなったわりに、

私が見つけた回答は、推測と想像でしかないが…。

 

赤木かん子さんの本も思い出したし

改訂版は、ハンバーグと書いてあるし

解決ではないかと思われるのに

なぜ、ハンバーグではないのではないかと

思ったかというと…

 

かき卵のレシピを検索した時、

ドイツのハンバーグってどんな感じなのかと

ついでに検索したら、

「ドイツのハンバーグを食べに行く!」というのがあって

そのブログには、いわゆるハンバーガーみたいなものも

日本のファミレスで、でてくるハンバーグみたいなものもなく

あるのは、肉団子。

それも地方地方で全然違う、と書いてあったからだ。

(このブログ、一度見たっきり見つからなくなった…)

 

大まかにいうと「フリカデレ」というものが

一番近いようだ。

「フリカデレ」で検索すると、レシピもたくさんある。

ドイツのレシピじゃなくて、クックパッドとか。

普通に日本で言うハンバーグを小さめに丸めた感じ。

私が知らなかっただけで、フリカデレは結構知られているらしい。

 

そうか、肉団子か。

ま、でもほぼハンバーグだよね。。。

 

それでも、もうちょっと検索していると

あるレシピでは、ドイツ人の旦那さんの手作りは

玉ねぎなしのじゃがいも入りだとか。

じゃがいも!

じゃがいもを入れるレシピを探したら、他にもある。

 

マッシュポテトを入れるらしい。

これ、一番アントンが作りそうじゃないか?

かき卵の時、ゆでじゃがいもを作っていたから

あまることもあるだろうし、それがあったら簡単にできる。

 

なので、私なりのアントンの「ドイツビフテキ」は

じゃがいも入り肉団子と決定した。…勝手に。

ドイツではスパイス多めらしい。

私はナツメグと黒コショウとクミン入れてみた。

スパイスが効いておいしい。

アントンは入れないかもしれないけど、玉ねぎのみじん切りも

ちょっとだけ入れた。

 

 

あと、「ドイツビフテキ」の訳については…

ハンバーグの歴史を調べてみると

明治時代には、メンチボールやジャーマンステーキと呼ばれていた、と

書いてあった。

ジャーマンステーキ!

高橋健二さんが、ジャーマンよりドイツ、ステーキよりビフテキのほうが

子供にわかりやすいのでは?と思って、こう訳したと想像できそう。

 

明治時代のメンチボール。

吾輩は猫である」で迷亭さんがボーイさんをからかって

「トチメンボー」をくれ、という場面がある。

ボーイさんは困って「メンチボール」でございましょうか?と

何度も言うのだ。

 

軍隊も医療も、ドイツ式を輸入していた明治時代

洋食だってドイツ式も入ってきていても

不思議はないよねーと、納得。

じゃがいも入りフリカデレだったかも。

 

だとしたら、だ。

はた!と思いついたのだが

日本独自の、洋食。ポテトコロッケ。

じゃがいも入りフリカデレの、イモをどんどん増やして行ったら

コロッケにならないか?

ホワイトソースの代わりから生まれたというより

ありそうじゃないか?と、思いついて、ひとりにんまりしたんだが…

 

これは、想像暴走かなー。

それとも、そんなのみんな知ってるよ、なのか?!