昔読んだ、児童書の中で、なんだろう?と思っていたものの
正体が分かった…多分、という話です。
興味ない方は今回は飛ばしてください。。。
なかなか結論に至らず、延々、枝葉が続いた挙句
最後まで読まれたら、なぁんだ、ってことになりそうです。
長年、知りたかったことがわかって浮かれているので
どうか、御勘弁ください!
最後まで、読まれる方は、その御覚悟を。。。
ミスター.レモン足というのは
「ひいおじいさんとぼく」クリュス著のなかにでてくる
とある人のあだ名の一つだ。
このお話は、著者のクリュスの出身地であるドイツの
ヘルゴランド島が舞台になっている。
妹が、はしか?しょう紅熱?だったか、何かにかかったので
ザリガニ漁師であるひいおじいさんのところにあずけられた「ぼく」は
ザリガニ漁師である「ひいおじいさん」の仕事場である
網を修理する小屋で、一日ひとつのお話を聞かせてもらう。
その話の中の一つに
都会から島にやってきた「保険屋さん」?(うろ覚え)と
「ひいおじいさん」の賭けの話がある。
「ひいおじいさん」が、もっと若かった頃の話だ。
「ひいおじいさん」は、「保険屋さん」に、この島じゃ、
きっとあだ名付けられるよ、と、言う。
「保険屋さん」は、私は普通だから絶対あだ名なんて、つけられない!と。
じゃ、あだ名がつけられるかどうか賭けよう、
負けたほうが、島の周りを、手こぎボートで一周まわることにしよう、と
いうことになった。
その約束から、しばらくたって、二人は一緒に、島の中を散歩する。
そしたら、会う人ごとに、みんな好き勝手な違うあだ名で呼ぶのである。
会った人の数だけ、あだ名が出来ていた。
その中の一つが、「ミスターレモン足」だった。
「保険屋さん」は、黄色の靴カバーは、都会じゃ流行りなのに…と憤慨するが
ひいおじいさんは、「ここじゃ流行っとらんからな。」と。
保険屋さんは賭けに負けたのを納得した。
納得しただけではなく、たくさんあったあだ名のなかに
「県知事」というのがあったのに、気を良くもしていた。
「ひいおじいさん」は、
罰ゲーム用に、横っ腹に「県知事」と書かれたボートを用意していた。
島を一回りするあいだに、島のみんなはそれを見て
「やぁ、県知事が県知事に乗ってるぜ!」と
本人も気に入っている「県知事」に自然と決まってしまった。
すべて、お見通しだった「ひいおじいさん」、カッコいい。
私にとっては、いつまでたっても、彼は「ミスターレモン足」なんだが…。
さて、
昔、ドイツでは、黄色い靴カバーが流行ってたのか?
「レモン足」という言葉がインパクトがあったせいで
ときおり、ふと思い出すことがあった。
ネットというものが使えるようになってから
検索もしたことがあったけど、見つからず。
今回、数か月前「ブラウン神父の知恵」を読んでいたら
「盗賊の楽園」にでてくる、とある人物は…
白黒の格子柄のツイードを着て、ピンクのネクタイ、
尖った襟、爪先のふくらんだ黄色い靴を身に着けていた。
(これはその当時の、ロンドンっ子の流行りだったらしい。)
…という、この文章を読んだとき、
これ、あのレモン足じゃないか?と、また、思い出したのだった。
それから、検索ワードをかえて、いろいろ調べたけど
やっぱり、見つからなかった。
数日前、もう一度、画像検索していたら…
1909年に作られたらしい、アメリカの絵葉書を見つけた。
そこに、まさにそういう男が描かれていた!
絵葉書をコピーしていいものかわからなかったので、一部分を書き写した。
説明文も。
ピンクのネクタイじゃないけど、ツイードのスーツっぽいし
えりも尖ってるし…で、足元!
やっほー。
これは1914年に発行された小説。
絵葉書は1909年発行らしい?
「盗賊の楽園」とは時代はほぼ一致すると言っていいと思う。
「ひいおじいさんとぼく」を書いたクリュスは1926年生まれ。
ひいおじいさんの経験とすると、年代がちょっと合わない。
…が、クリュスのおじいさんは、ザリガニ漁師さんだったらしいので
「ひいおじいさん」のモデルとして、クリュスのおじいさん、とすれば、
時代はぎりぎり合うと思う。
ちなみに、今までみつからなかったのは
シューズカバーなどと検索していたから。
これはspatsというのであった。
スパッツかぁ。。。
spatsで調べると、ギャングスパッツというものがあって
1920年代にはギャングの間で白いスパッツが大流行していたらしい。
ひょっとしたら、ギャング映画で見て、知ってたよ、という方が
いらっしゃるかも?
私は、ギャング映画を見ないので、ずいぶん遠回りしてしまったが
見つけた喜びは、100倍くらい!
遠回りのおかげ。
追記
「ひいおじいさんとぼく」は絶版です。
図書館にもない可能性が高いです。