空き地の片隅に出来るこんな雑草地帯。
かわいい花をつける野草でもなく、
食べられる野草でもない、
こんな雑草が、私の古くからの馴染みの草だ。
実を摘んで集める。
葉っぱを集める。
集めるだけ。
私は「家族ロビンソン」の一員なのだ。
(宇宙がつかないほう。スイスのロビンソンのほう。)
食料を集めなきゃ!
まぁ、ひとりで摘むだけの、なんの発展もない遊びなんだけど
それでおもしろかったんだから。
今となっては、はびこるので迷惑な雑草ではあるけれど…
懐かしい雑草でもある。
やぁ。
実を収穫。
とっぺん摘んで、バナナと称す。
「家族ロビンソン」の本は、かなり年上のいとこにもらった本で
もらった時点で、すでに古くなっていたくらいなので
私が大人になったときには、もうボロボロだった。
読みかえしたくなって、30代のころ
岩波文庫の「スイスのロビンソン」を買って読んだ。
もらった本は、少年少女文学全集の中の一冊だったので
ダイジェストになっていただろうと思っていたのだが…
驚いたことに、記憶と変わらなかった。
岩波文庫は完訳だし、ページ数はずいぶん違う。
もっと、詳しく読めるのでは?と思っていたのに。
子供が本を読むとき、たった一行でも
大きくイメージはふくらんでいるのだ…と、いろんな本で
目にしたけれど、それは本当だ、と、その時思った。
もう、おとなになったしな。
おとなとしても、ベテランもいいところだから
そんな風には読んでないんだろうなぁ。